ハイパーインフレ対策の投資先は金融商品じゃなくてもいい
ハイパーインフレ対策と聞くと真っ先に思い浮かべるのは、外貨預金や金融商品への投資ですが、日本円と連動しない資産であれば、実は投資先はなんでもよいわけです。不動産や耐久消費財の購入、あるいは美容や健康、人的資本への投資などが考えられるでしょう。
先日は以下のようなツイートを目にしました:
矯正の施術料金を一括で前払いすれば、当然その時点で金銭的なコストが確定します。歯科矯正料金が今後高くなるリスクを排除することができるわけです。
一方で、きれいな歯並びという便益を将来にわたって享受することができますから、歯科矯正はある種の投資と考えることができます。このように、先々やろうと思っていた美容への投資を前倒しすることも立派なインフレ対策と言えるでしょう。
インフレからさらにトクしてやろうと思うのであれば、そういった投資をさらに固定金利の借金で行うべきですが、金利負担を考えるとなかなか難しいのが実情です。その点、住宅ローンはフラット35であればハイパーインフレ対策になるのはこちらの記事でお伝えした通りです。
ソーラーパネルでインフレ対策
このように将来的に便益を得られる資産の中でも、ソーラーパネルは筋が良いインフレ対策であると言えそうです。それは日本がエネルギー供給のほぼすべてを外国からの輸入で頼っているからです。
いざハイパーインフレになると円が暴落しますから、穀物をはじめとする食料品やエネルギーの確保が困難になります。日本政府は潤沢な外貨準備を有していますし、緊急事態のために石油や天然ガスの備蓄をしていますが、それでもエネルギー価格の高騰は避けられないでしょう。
ひどいインフレに苦しんでいるトルコでも、エネルギー価格は極端に上昇しています。
トルコ政府は1日、電力・天然ガス価格の引き上げを発表した。
(中略)
法人などの大口需要家向けは最大125%引き上げ、一般世帯向けは50%程度引き上げる。
トルコ、電力価格引き上げ イスタンブールは10年ぶり高インフレ – ロイター
そこで、為替が安定するまでの電力不足をやり過ごすためにあらかじめ太陽光発電の設備を自宅に設置してしまうというわけです。
注意点
太陽光発電設備をインフレ対策として用いる場合に気をつけなければいけないこともいくつかあります。
ひとつ目は、ソーラーパネルは当然ながら日の出ている時にしか使えないということです。通常、太陽光発電を設置している家では、日中あまった電気を電力会社に固定価格で引き取ってもらい、雨の日や夜間は電力会社に供給してもらった電気を使うことになります。
これを克服するには、蓄電池を設置して余剰電力を自分で貯めておけるようにしなければなりません。環境対策や儲けのために、蓄電池なしで太陽光発電設備を設置する場合よりもコストがかさみます。
ふたつ目に、災害やハイパーインフレなど発生しなかった場合には、ソーラーパネル代の元を取るのに非常に長くかかるし、元を取れないことさえ考えられるということです。
発電設備ですから、不具合が発生することがありますし、メンテナンスコストが予想以上に膨らむこともあり得ます。発電量が思ったほど伸びないことも考えられるでしょう。また、改築の障害になる場合や、転居の際に住宅価格に十分反映されない場合があり得るでしょう。
このように、ソーラーパネルを設置するということは、インフレや災害のリスクをヘッジするために、別のリスクを取っていることに他なりません。
もしも、筆者のようにハイパーインフレの危機が差し迫っていると考え、太陽光発電に適した住宅を保有し、ソーラーパネルへの投資リスクを十分に理解しているのであれば、太陽光発電設備を導入するのは理にかなった対策になると言えるでしょう。